赤ちゃんが生まれてから生後6ヶ月まで。
この時期って、実はその後の発達につながる
「身体の基礎工事」をしている時期なんです。
赤ちゃんの身体は、最初から全部の筋肉を同じように使うわけではありません。
生まれたばかりの赤ちゃんは、まず背骨に近いところにある、
深い部分の筋肉に少しずつ意識が向いていきます。
例えば、
- 多裂筋
- 回旋筋
- 脊柱起立筋など
背骨の近くにある深層の筋肉です。
こういった筋肉は、背骨を安定させたり、姿勢を微調整したり、身体をひねったりすることに関わっています。
そして、身体の中心が安定してくることで、そこから手や足へと身体の使い方が広がっていきます。
つまり、
「首が座る」って、首だけの筋肉が強くなることではないんです。
頭と身体に意識が向いて、
頭と背骨、そして背骨から手や足へと、神経を通して身体をつなげていく。
そうやって少しずつ、
「自分の身体を感じる力」
が育っていくんです。
その鍵になるのが「重力」
じゃあ、この身体の土台をどうやって作っていくのか。
その鍵になるのが、私は重力だと思っています。
重力って、しっかり「重たい」ですよね。
赤ちゃんは、お腹の中では丸まったCカーブのような姿勢をしています。
それが生まれて、重力のある世界に出てくる。
仰向けで寝ていると、身体には重力がかかります。
その重力を感じながら、Cカーブだった身体が少しずつ伸びていく。
そして、やがて脊柱のカーブが変化していきます。
赤ちゃんはその中で、
手をバタバタする。
足をバタバタする。
身体をひねる。
こういう動きを繰り返します。
そのたびに背骨も動きます。
そして、
「背骨を中心に身体を動かす」
という感覚が少しずつ育っていく。
これが、その後の寝返り、ずりばい、はいはい、座る、立つ、歩くという発達につながっていくんです。
だから「うつ伏せにすればいい」ではない
ここで、タミータイムについてです。
「脳の発達にいいですよ」
「目の発達にいいですよ」
「頭の形のためにうつ伏せにしましょう」
そう言われることがありますよね。
でも、首がまだ座っていない赤ちゃんを、いきなりうつ伏せにしてしまう。
すると、赤ちゃんによっては身体を支えるために、浅層の筋肉を一生懸命使います。
例えば、
僧帽筋、脊柱起立筋などの背中の筋肉。
本来、まだ身体の中心を育てている段階なのに、浅層の筋肉を頑張って使って頭を持ち上げようとする。
すると、
背骨が反り返る。
ということが起こることがあります。
だから私は、
「うつ伏せ=早くやればいい」ではない
と思っています。
タミータイムそのものを否定しているのではありません。
赤ちゃんの発達段階や身体の状態を見ずに、
「うつ伏せにすること」だけを目的にしてしまうことが大切なのではない、ということです。
「反る」が癖になると、身体のいろんなところにつながる
赤ちゃんが反ってしまう。
それが授乳のときにも出て、
抱っこのときにも出てしまう。
身体が反った状態では、呼吸や飲み込みなど、いろいろな身体の働きにも影響してきます。
例えば授乳でも、身体が反ってしまうと、口と乳房の位置関係が変わって、空気を飲み込みやすくなることがあります。
そして、その身体の使い方が続いていくと、
「反り腰」や、
足の使い方、
立ったときの身体の使い方
にもつながっていくことがあります。
だからこそ、
赤ちゃんの「今の身体の使い方」を見てあげることが大切なんです。
首を育てるのは「首だけ」じゃない
そして、もうひとつ大切なのが授乳です。
赤ちゃんがしっかりラッチオンして、舌を使っておっぱいを飲む。
この「吸う」という動きは、口だけの動きではありません。
舌、顎、喉、首、そして身体全体が関係しています。
舌の動きには、舌骨上筋群・舌骨下筋群など、舌骨周辺の筋肉も関わっています。
舌骨は、首の前側にある小さな骨です。
赤ちゃんの舌骨は、大人とは位置が違います。
生まれたばかりの赤ちゃんは、舌骨が比較的高い位置にあります。
そして、成長とともに少しずつ位置が変化していきます。
舌をしっかり使って吸う、飲み込む。
こうした口の働きも、首や喉周辺の筋肉の発達と関係しているんです。
だから、
首を強くするために首だけを鍛える必要はない。
授乳も、抱っこも、寝ている時間も、
全部が赤ちゃんの身体づくりにつながっています。
生後6ヶ月までに作りたいのは「身体の土台」
生後6ヶ月までに大切なのは、
「首を早く座らせること」だけではありません。
重力を感じる。
背骨を中心に身体を動かす。
深い筋肉を使いながら身体を安定させる。
手足を動かして、身体をひねる。
舌を使ってしっかり授乳する。
身体を反らせすぎず、自分の身体を感じていく。
こういう一つひとつが、赤ちゃんの身体の基礎工事になっていくんです。
家を建てるときも、基礎工事が大切ですよね。
赤ちゃんの身体も同じ。
まずは見えないところに、
背骨を中心とした身体の土台を作っていく。
その土台があるから、その後に、
寝返りをする。
ずりばいをする。
はいはいをする。
座る。
立つ。
歩く。
という発達につながっていきます。
でもね。
もし、
「この時期にうまくできなかった」
「タミータイムをしなかった」
「反っていた」
としても、
それで終わりではありません。
赤ちゃんの身体は、その後も変わっていきます。
だから大切なのは、
「できた・できない」
だけを見るのではなく、
「今、この子の身体はどうやって動いているんだろう?」
と見てあげること。
私は、それが赤ちゃんの発達を見るうえで、とても大切なことだと思っています。
生後6ヶ月は、発達のゴールじゃない。
その先の身体を育てていくための、
大切な「基礎工事の時期」なんです。

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