【小児鍼灸師監修】赤ちゃんの発達に沿った断乳の進め方

こんにちは。子ども健康を姿勢から守る”ええ加減”育児の安村政子です。

 

あなたは、こんなお悩みありませんか?

 

『断乳のするべきなの?』
『断乳して、お腹は空かないのかしら?』
『いつまで、おっぱい飲ませていいの?』

 

この記事では、心(精神)の発達と身体の機能の発達ついて公開しています。断乳に悩んでいるママへ、実際にあったご相談を例に、いつまでおっぱいを飲ませていいのか、断乳はするべきなのかについてお役に立てれば嬉しいです。

卒乳のタイミング、断乳時期について

ママが断乳を決意する理由には、仕事復帰のタイミングでやめたいママや子どもの自立の応援、次の子の妊娠、母乳トラブルなどたくさんあると思います。

 

 

でも、今本当に止めていいのかな、発達の妨げにならないかな、本当に止められるかなという迷いや、ママの寂しさなどもあるのではないかと思います。(わたしは、いつまでも飲ませたかったママでした。)では、うまく断乳するための準備や時期、進め方について一緒に考えていきましょう。

 

断乳&卒乳

断乳とは、ママの意思で授乳をやめることをいい、卒乳とは、赤ちゃんが自分自身で、おっぱいにサヨナラ(卒業)することをいいます。昔は、離乳食が進んで、食事から栄養を補給できるようになったら、いつまでもの飲ませていてはいけない風潮だったようが、現代では、

 

①赤ちゃん自らいらないと言うまで飲ませるママ
②仕事復帰のタイミングでやめさせるママ

 

に、別れているように思います。実際にあった、3つの事例をご紹介しながら実際のアドバイスを見て見ましょう。

 

卒乳を待つ

 

事例1)授乳が卒業できない4歳児

 

私:4歳まで、飲ませている理由をお聞かせください。

 

ママ:出産したところの助産師さんに、『無理に断乳しなくていいよ。いらなくなったら自分からいらない。ていうから、それが赤ちゃんにとっての初めての自律なのよ。』と言われたので、待っているのですが、なかなか、言ってくれません。

 

私:ママはどうしたいですか?

 

ママ:ここまで来たので、自分から辞めるまで待ちたい!でも、発達に問題が出るのであれば止めたい!

 

私:では、発達面から言いますと、”口を開けて飲むのは乳児嚥下” ”口を閉じて食べることが成人嚥下”と言います。

 

4歳のお子様が、おっぱいを飲んでいるのであれば、口を開けて飲む乳児嚥下のままであるということです。

 

乳児嚥下とは、水分を飲むような飲み方です。このままでは、水を飲むような飲み方で食べもの噛まないで飲み込もうとする、いわゆる”丸のみ癖” だと考えられます。

 

それでは、子どもの身体によくないです。そして、子どもに噛むことを教えてあげないと、顎の筋肉や顔の筋肉の発達にも遅れが出てしまいます。不正歯列やブサイクの原因になってしまいます。

 

噛むトレーニングや飲み込みのトレーニングで筋肉の発達を補なう必要もでてきてしまいます。

 

アドバイス  発達の過程、乳児嚥下から成人嚥下へと成長させることをオススメします。大丈夫です。お子様はできます。

断乳の方法

断乳は、あらかじめ少しずつ母乳を飲ませる回数を減らしていきながら、時期を決めて赤ちゃんに言い聞かせて、その日から授乳はせず断乳させる方法をオススメします。子どもの自立が早くなります。

時期を決める

まずは、時期を決めましょう。子どもは、3日位は泣くかも知れませんね。ですので、あらかじめパパや同居者様には、言っておく必要があります。それでも、3日以上泣き続ける赤ちゃんはいませんので安心してください。(当院の例)

 

 

カレンダーや好きなキャラクターのシールなどを使って「この日におっぱいバイバイだよ」と伝え、止めなければいけない理由をしっかり伝えます。忘れてはいけないことが、おっぱいを止めてもあなたへの愛情は変わらないことをたくさん伝えてあげてくださいね。

 

いつまで飲ませてよいかわからない

 

事例2)3歳のお姉ちゃんと、2か月の妹2人におっぱい飲ませています

 

私:3歳の姉ちゃんは、卒乳はされていたのに、妹が飲んでいるのをみて、飲みだした。と言うことでいいですか?

 

ママ:しつこく身体を揺さぶらり、妹の授乳の邪魔をしてくるので、それに耐えられず、反対のおっぱいを飲ませてしまいました。

 

私:ママは、どうしたいですか?

 

ママ:辞めさせたいです。

 

私:上のお子様は、いままで、ママの愛情を独り占めできていたのに、妹ができて、複雑な思いです。ママの気を引きたい行動が、おっぱいだったのかも知れませんが、ママは、おっぱいで気持ちを埋めるのでははなく、他のことで上のお子様に目を向けることをオススメします。

 

アドバイス  ママの強い覚悟が必要にはなりますが、お子様は大丈夫止めれますよ。

断乳&夜食

 

事例3)夜間断乳はしましたが、夜1時におにぎり食べさせています。

 

私:夜1時に起きてお腹が空いたと泣くのですか?

 

ママ:助産師さんから、夜間断乳の際に、お腹が空いていたら、おにぎりあげたほうが良いよと言われたので。

 

私:お腹が空いているのですか?赤ちゃん痩せてるの?夕食は、食べなかったですか?

 

ママ:お腹が空いているようには思いません。痩せてはいないです。食べている方です。

 

私:お子様は、夜食べる習慣がついているのでしょう。ママが、お腹が空いていないと思うのであれば、食べさせなくてよいと思います。身体的には問題はないと思います。夜中に食べる習慣を付けてしまうことは、消化管の負担になりますのでオススメできません。

 

アドバイス  習慣をつけさせないことも大切です。食べさせなくて良いと思います!

当サロンでは、ママがどうしたいかを聞きます。次に、心(精神)の発達、身体の機能についてお話します。子どもは成長できる能力を持っていることをお伝えします。あとは、お子様の状態と経験も含めてアドバイスしていきます。

 

子供の発達過程と心の発達課題について

エリク・H・エリクソンの発達段階について

まずは、発達段階を知ろう!ところで、エリク・H・エリクソンて誰?

 

エリク・H・エリクソン(Erik Homburger Erikson)は、1902年にドイツで生まれた精神分析家です。第二次世界大戦中にアメリカに亡命し、同国内で研究を重ねて米国で最も影響力のある精神分析家の一人となりました。
特に、アイデンティティ(自我)の概念や発達心理学において、精神分析学者として有名なフロイトの理論を発展させたとしてよく知られています。
日本でも、エリクソンは保育士や学校の先生なら知らない人はいないくらい、保育士試験や教員採用試験にも頻出する、とても有名な人物です。また、文部科学省による学習指導要領は、子どもの発達段階ごとの特徴と重視すべき課題を「乳幼児期」「学童期」「青年前期(中学校)」「青年中期(高等学校)」の4段階に分けて挙げているのですが、実はこれもエリクソンの発達理論を元に作成されているのだそうです。【Wikipediaより引用】

「ライフサイクル論」とは?

私達の心(精神)はどのようにして発達したのでしょうか?

 

しつけ、教育、環境、他者との関わり、社会によって……などなど、いろいろあるかと思いますが…

 

エリクソンは人間の一生を「ライフサイクル」と捉え、精神発達の過程を8つの段階に分けるとともに、各段階にある課題を克服することで精神的発達を遂げるとして理論化しました。心理学のみならず教育においても影響をあたえているエリクソンの生涯発達理論は、一般的に【ライフサイクル論(心理社会的発達理論)】と呼ばれます。

 

8つの発達段階と発達課題

エリクソンによれば、人間の成長は下記の8段階に分けて考えられます。

 

1:乳児期
2:幼児期
3:遊戯期
4:学童期
5:思春期・青年期
6:成人期
7:壮年期
8:老年期

 

ライフサイクル論では、各段階において、プラスの力(発達課題)とネガティブな力(危機)が対(vs)になっており、その両方の関係性が人として発達していくのに大きく影響するとされています。なので、プラスの面だけ習得する、ネガティブな面だけ習得するということではなく、ネガティブな力を克服することでプラスの力にもなり得るし、プラスの力は各段階以降に取得することも可能だとエリクソンは説いています。

 

エリク・H・エリクソンが提唱した発達課題の各段階とその心理的側面は、以下のとおりである。左記が成功、右記が不成功した場合である。

年齢 時期 導かれる要素 心理的課題 主な関係性 存在しうる質問
0–2 歳 乳児期 希望 基本的信頼 vs. 不信 母親 世界を信じることは出来るか? 授乳、愛着
2–4 歳 幼児前期 意思 自律性 vs. 恥、疑惑 両親 私は私でよいのか? トイレトレーニング、更衣の自律
4–5 歳 幼児後期 目的 積極性 vs. 罪悪感 家族 動き、移動し、行為を行ってよいか? 探検、道具の使用、芸術表現
5–12 歳 児童期 有能感 勤勉性 vs. 劣等感 地域、学校 人々とものの存在する世界で自己成就できるか? 学校、スポーツ、仲間意識
13–19 歳 青年期 青年期 同一性 vs. 同一性の拡散 仲間 ロールモデル 私は誰か? 誰でいられるか? 社会的関係、学業
20–39 歳 初期成年期 親密性 vs. 孤独 友だち、パートナー 愛することが出来るか? 仕事、恋愛関係 、育児
40–64 歳 成年期 世話 生殖 vs. 自己吸収 生殖 vs. 自己吸収 私は自分の人生をあてにできるか? 管理職、子供の自立
65歳 – 成熟期 賢さ 自己統合 vs. 絶望 人類 私は私でいてよかったか? 人生の反響 、終活

 

エリクソンの場合、必ずしも成功のみが賞賛されているわけではなく、不成功もそれなりに経験する必要性もあるとされている。両者の統合したものが正常な成長に寄与する。また前段階の発達課題は次段階の発達段階の基礎となるので、エリクソンの発達課題からなるライフサイクルはピラミッド型でよく表される。

 

発達課題とは、言い換えれば人間が成長していく上には、乗り越えるべき段階(テーマ)があるといえるでしょう。

 

特に乳児期から思春期・青年期までの発達段階には、保護者の適切なサポートも重要です!

 

3歳までの発達段階について、目安となる年齢とともに詳しく見ていきましょう。

 

乳児期

乳児期は0歳~1歳6カ月頃を指します。まだ自分では何もできず、あらゆる行為をするために他者の力が必要な赤ちゃんの頃です。乳児期の子どもは、パパママなどから受ける愛情を通じて成長します。

 

そして、この時期の発達課題は「基本的信頼 対 不信」ですね。

 

「基本的信頼」は、おむつを替えてもらったり、おっぱいやミルクをもらったり、世話をされることで他者から受ける信頼と、その信頼を受けて自分に対して抱く信頼感を意味します。

 

逆にこの時期に信頼感が欠如すると不信感へと繋がり、将来のアイデンティティ形成へ影響があるとされます。

 

幼児期

幼児期は1歳6カ月~4歳頃を指します。この時期の子どもは、身体・運動能力もさらに発達し、自由に歩けるようになるなど、自分の意思で動けるようになります。さらに、言語能力の発達に伴い、自分の意思や欲求を他者に伝えられるようになります。一方で、しつけなどを通じてルールを学んで社会性を身に付けていく時期でもあります。

 

発達課題は「自律性 対 恥」です。

 

他者との生活において自分をコントロールすることができるようになること、すなわち「自律性」を身に付けていく一方、できないことを「恥」ととらえて自信をなくしてしまう可能性もある時期になります。

 

例えば、トイレトレーニングですが、自分でおしっこ・うんちをすること(肛門括約筋)をコントロールできるようになり、自律性を習得します。それが、うまくできない場合、恥ずかしいと思い、さらにはできないことを他者に知られたくないという羞恥の思いが芽生えます。

 

この段階でも、自分を肯定的に捉え、自律性というプラス面が、「恥・羞恥」というネガティブ面を上回ることが重要とされています。

 

断乳はいつから?断乳の目安は?

エリクソンの発達段階にもあるように、人間の発達には段階があります。そして、0歳~1歳6か月の間と言うのは、母親と母乳を介して愛着形成を結ぶことによって、基本的信頼の獲得と世界を信じられるや否やの成長過程を登っているともいえるのです。

 

では、1歳6か月を過ぎても母乳を飲ませていたら、どうなるでしょうか?基本的信頼の獲得が得られないでいると、子どもは不安・不信でいっぱいになるやも知れませんよね。また、次の発達段階の『自律性と恥』『私は私で良いのか?』の段階へと登ることへの遅れが生じてしまいます。

 

断乳は、発達段階からみて、必要なこと言えるでしょう。

 

また、歯科の観点、口育士の観点から言いますと、下の歯が2本、上の歯が2本生え揃うと、次に生えてくる歯は奥歯(第一乳臼歯)。第一乳臼歯が生える頃には、唾液がしっかり出てくると言います。そうです!食べる行為へ変換時期と言います。

 

こういった観点から、私は、歯が8本生える1歳6か月頃が、断乳できる時期であるとしています。

断乳は個々に合わせることも大切

この情報社会の中で、親はいったい、何を信じていけば良いのでしょうか?悩みますよね、わかります。

 

ですが、これだけは言っておきます!どんなに偉大な方の論文でも、必ず反論文はあるということ。ですから、なんでもママが決めてよいのです!

 

そして、『○○はダメ』『○○だから』『○○したほうが良いよ』といような意見には、耳は傾けないことです。なぜなら、専門家なら当然、まずは『いつからですか?』『どのような状態ですか?』と聞く、診るが必要だからです。

 

お子様を一番よく見ているママが決めてよいと思います!ただ、子どものできないことができるようになることを、子どもの成長を誇らしく、応援し、協力し、見守れることができるママでいましょうね。

 

 

 

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