「うちの子、全然ご飯を食べてくれない…」
「まともな食事じゃなくて、お菓子ばっかり!」
「栄養バランス、どうなっちゃうの!?」
子どもの食事に関するお悩み、本当にたくさん聞きます。安村政子です。私も、鍼灸師として、日々お子さんの心と体の状態に向き合う中で、同じようなご相談を数多く受けてきました。
お子さんが食事をしてくれない時、親御さんにとっては何よりも心配なことですよね。
でも、ちょっと待ってください。本当に「何も」口にしていないお子さん(喉を通るものが全くゼロ)って、実はそう多くないんです。
多くの場合、お菓子、ジュース、果物は食べられる。
もちろん、親御さんは3食お菓子を食べさせたいわけじゃない。ただただ「何か、少しでも口にしてほしい」という切実な思いから、ついつい与えてしまっているのではないでしょうか。
今日は、なぜお子さんが「食事らしいもの」は食べないのに、お菓子やジュース、果物は食べられるのか? その理由を、体のしくみから紐解いていきたいと思います。この記事が、悩めるママ・パパの心に少しでも光を灯せたら嬉しいです。
目次
【驚きの事実】体のエネルギー源は「分解された糖」だけ!
生きるための基本!エネルギー源「グルコース」とは?
私たちの体は、活動するためのエネルギーとして、**グルコース(単糖類)**を利用します。グルコースは、小腸で吸収された後、血液を通して全身の細胞に届けられ、エネルギー源となるのです。
特に、脳は大量のグルコースを必要とします。考える、感じる、動く…あらゆる活動のエネルギー源が、この小さなグルコースなのです。
三大栄養素も、最後はグルコースに大変身!
私たちが食事から摂取する三大栄養素、炭水化物、たんぱく質、脂質も、そのままではエネルギーとして利用できません。体内で消化・分解され、最終的にはグルコースなどの小さな分子になって吸収されます。
この中で、最も早くエネルギーに変換されるのが炭水化物。次いで脂質、たんぱく質の順になります。
ちょっとややこしい?「炭水化物」「糖質」「糖類」の違い
ここで少し整理しておきましょう。よく似た言葉ですが、中身は違うんです。
炭水化物: 糖質と食物繊維を合わせたもの。
糖質: 主にエネルギー源となる成分。多糖類(でんぷんなど)が代表的。
糖類: 糖質の中でも、単糖類(ブドウ糖、果糖)や二糖類(砂糖、乳糖など)といった、より小さな単位の糖の総称。
つまり、私たちが普段「炭水化物」として口にするご飯やパン、麺類などは、消化されて最終的にグルコースになる必要があるのです。
吸収の最小単位は「グルコース」!消化という名のハサミ
食べ物が体内に吸収されるためには、最小単位であるグルコースまで分解されなければなりません。
例えるなら、大きな塊である炭水化物を、ハサミでチョキチョキと小さく切り刻んでいくイメージです。このハサミの役割を果たすのが**「消化」**なのです。
エネルギー源への近道!消化を助ける「消化液」の秘密
消化の要!「消化液(消化酵素)」って何?
このハサミ(消化)の役割を担うのが、消化液、別名消化酵素です。酵素の主成分はたんぱく質で、特定の物質を分解する働きを持っています。
消化液は、全身のさまざまな臓器や組織にある腺細胞から分泌されます。
私たちの体には、唾液、胃液、膵液(すいえき)、腸液など、様々な種類の消化液が存在し、それぞれ異なる役割を担っています。
【驚愕】唾液だけで1日に〇リットルも分泌される!?
例えば、口の中で分泌される唾液だけでも、なんと約1~1.5リットル/日も分泌されているんです!500mlのペットボトル約3本分ですよ!
消化は、口に入れた瞬間から始まっているんですね。
消化管は一本の道!それぞれの場所で消化液が活躍
食べ物が通る道筋、消化管(口腔→咽頭→食道→胃→十二指腸→空腸→回腸→結腸→直腸→肛門)の各所で、様々な消化液が分泌され、食物を細かく分解していきます。
なぜ?お菓子・ジュース・果物を欲しがるカラダの理由
ここからが本題です。なぜ、お子さんは食事らしいものは食べないのに、お菓子やジュース、果物は好んで食べるのでしょうか?
その答えは、消化に必要なエネルギーと時間にあります。
消化酵素不足!?すぐにエネルギーになるものを求めるカラダ
食べ物を消化するためには、たくさんの消化酵素が必要です。もし、
生まれつき酵素の量が少ない
何らかの原因で消化酵素の分泌が滞っている
分泌されていても、他の体の機能で優先的に使われている
といった状態であれば、消化酵素は不足してしまいます。
そんな時、子どもたちが欲しがるのが、ポテトチップス、ジュース、アイスクリームなど。これらの食品の主成分を見てみましょう。
ポテトチップス: じゃがいも(主に炭水化物)、植物油、食塩など。
ジュース: ぶどう糖果糖液糖(異性化糖)が主成分。異性化糖は、でんぷんから作られるブドウ糖(グルコース)と果糖(フルクトース)の混合液で、すでに分解された糖に近い状態です。
アイスクリーム: 主に糖質。
これらの食品に共通するのは、すぐにエネルギーになりやすく、消化に多くの酵素を必要としないということです。
つまり、子どもたちの体は、少ないエネルギーで素早く吸収できるものを本能的に求めていると考えられるのです。
「食べられない」可能性も!?消化に時間のかかるものへの抵抗
逆を言えば、消化に時間のかかるたんぱく質などは、エネルギー供給に時間がかかるため、体が敬遠してしまう可能性があります。
「うちの子、どうしてもお肉やお魚を食べない…」
「野菜も全然食べてくれない…」
もしかしたら、消化する力が追いついていないのかもしれません。
「炭水化物すらあまり食べず、ジュースや果物ばかり…」
それは、さらに消化の負担が少ない、単糖類に近いものを体が求めているサインかもしれません。
私は、「子どもは、食べないんじゃなくて、食べれない可能性の方が高い」と考えています。
根本解決への道!「原因の原因」を探る
お子さんが食事をしてくれないという問題に直面した時、多くの親御さんは「何とかして食べさせよう」と試行錯誤されると思います。もちろん、食べていない状態であれば、まずは口に入れてもらうという考え方は大切です。
しかし、それでうまくいかない場合、消化できない、消化できないから吸収できないという根本的な原因に目を向ける必要があるのではないでしょうか。
親御さんとしては、仕方なく与えている甘いものを減らしたいと思っているかもしれませんが、なぜお子さんが甘いグルコース(単糖類)を必要としているのか? その**「原因の原因」**を探ることこそが、根本的な解決に繋がるのです。
【重要ポイント】甘いものとの付き合い方とエネルギー不足のサイン
甘いものは悪者じゃない!でも…
甘いものは決して悪いものではありません。適量であれば、脳や体のエネルギー源となります。
しかし、甘いもの「ばかり」、甘いもの「しか」食べないとなると、それは依存状態と言えるでしょう。
我慢だけでは逆効果!?エネルギー不足の悪循環
だからといって、無理やり甘いものを我慢させようとすると、子どもはより一層動き回ることがあります。
なぜなら、甘いものを欲しがる子は、慢性的なエネルギー不足に陥っている可能性があるからです。体温を維持するエネルギーすら足りていないため、体を動かすことで熱を生み出そうとしているのです。
「うちの子、落ち着きがないのかしら?」
「もしかして多動?」
そう思われるかもしれませんが、実はエネルギー切れを起こしている可能性も十分に考えられます。
体のサインを見逃さないで!
体は様々なサインを出して、私たちにSOSを伝えています。
食事らしいものを食べない
お菓子やジュース、果物ばかりを好む
落ち着きがないように見える
疲れやすい
これらのサインを見落とさず、お子さんの状態に合わせた適切な対応をしていくこと。それが、「原因の原因」にアプローチする根本治療へと繋がると私は確信しています。
もし、お子さんの食事のことで深く悩んでいる、もっと詳しく話を聞いてほしいという方は、ぜひ一度当サロンにご相談ください。きっと、これまでとは違う視点が見つかるはずです。
この記事へのコメントはありません。